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慶應義塾OCW >> コース一覧 >> 経済学部 >> 廃棄と汚染の経済学(2004春-秋学期)

廃棄と汚染の経済学(2004春-秋学期)
【第2講義:グッズの世界、バッズの世界(2)】

2.1. グッズとバッズの境界
    2.1.1. グッズとバッズの相対性
      ●残余物がグッズになるかバッズになるか経済状況(需給バランス)によって異なる
      ●消費過程からの残余物の供給曲線の位置は、①所得、②代替財・補完財の価格、③修理費、などによっても影響される
      ●一方、消費過程からの残余物の需要曲線の位置は、①分別収集費用・再資源化費用や再生資源の市況・競合新製品・新素材の市況などに影響される
      ●生産過程からの残余物についても同様に考えられる
    2.1.2. 古紙問題から見えるもの
      ●かつて価格がマイナスになることなどないと言う学者もいた
      ●しかし雑誌古紙価格の推移を見ると、1997年春先、問屋買い入れ雑誌古紙価格がマイナスになった
      ●この当時、古紙の需給バランスが崩れ、新聞古紙、ダンボール古紙、雑誌古紙の価格が急落した
      ●集団回収した古紙が再資源化されずに焼却処理されるというケースも見られた
      ●再資源化されたのに逆有償物(すなわちバッズ)になったものもあった
    2.1.3. 容器包装の世界では
      ●容器包装もかつては多くのものがグッズであったが今はワンウエイのバッズになった
      ●所得の増加とともに容器が多様化し、容器の価値は下落するとともに分別・収集費用が増加した
      ●こうして使用済み容器の供給曲線は右にシフトし、需要曲線は左にシフトし、両曲線は、第4象限で交わるようになった
      ●平均所得が小さいような途上国では、使用済み容器包装もグッズとして使われることが多い
2.2. 伝統的な経済学との関係
    2.2.1. 自由(無料)処分という仮定
      ●消費活動・生産活動からの残余物は、自由処分されると仮定してきた
      ●あまったモノはフリー・グッズとみなされた
      ●しかし、現実には自由処分の仮定が当てはまるモノはほとんどない
      ●つまり、敢えて市場取引に任せると、マイナスの価格がつくバッズの分析が必須となる
    2.2.2. 経済学と稀少性
      ●経済学は、従来稀少性を中心に分析してきた
      ●市場価格は稀少性を表す指標と考えられた
      ●しかし、バッズのような残余物を考えると、マイナスの稀少性を考えなければならないということになる
    2.2.3. 外部不経済と社会的費用
      ●伝統的な経済学でも外部不経済・外部費用を扱ってきた
      ●しかし伝統的な議論では、外部不経済をもたらすモノがその性質によって固定されていた
      ●同じものでも、空間と時間を違えればグッズにもなるしバッズにもなる、このことが重要
      ●またバッズの適正処理・リサイクルの費用に関する議論は、従来型の外部不経済の内部化論とは異なることに注意が必要


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