慶應オープンコースウェア
 

course_navi

Google

慶應義塾OCW >> コース一覧 >> 経済学部 >> 廃棄と汚染の経済学(2004春-秋学期)

廃棄と汚染の経済学(2004春-秋学期)
【第8講義:安定した市場リサイクルの条件(2)】

8.1. 規制と公共関与
    8.1.1. 行政のごみ処理の理念
      ●一般廃棄物の適正処理は市町村の責任になっている。目の前から速やかにごみがなくなれば、それで良いと考える人が多い。
      ●しかし市町村のごみ処理は、税金によるものであり、本当の処理費用が見えにくい。1kgあたり全国平均で45円かけて一般廃棄物を処理していることはあまり知られていない。
      ●バッズの発生・排出抑制を行うためには、分別排出や、リサイクル業者との連携などが必要になってくる。
    8.1.2. リサイクルとごみの接点
      ●行政がごみの排出抑制をしてリサイクルをしようとすると、逆に従来あった市場リサイクルを壊しかねない状況が出てくる。
      ●行政がリサイクル促進のためにこれまでバッズとして処理されていたものをリサイクルにまわそうとすると、再生資源材料の供給が増え、これまで有償として回っていたものが逆有償になってしまうという状況が発生するようになった。
      ●ごみをバッズとして処理するのではなくリサイクルにまわそうとするなら、市場リサイクルが壊れないような措置を講じなければならない。
    8.1.3. システムデザインのあり方
      ●市場リサイクルを利用しつつバッズの発生・排出抑制を行うために、システムデザインを的確に行う必要がある。
      ●まず、行政による廃棄物処理は非常に費用が高いことに留意すべき。
      ●たとえば粗大ごみを処理・リサイクルするのに、行政よりも民間の方が約50%近く安い費用で済む。
      ●行政のごみ処理と市場リサイクルを調和させるためには、(1)カスケード利用の道筋を作ること、(2)再生資源の需要先(販路)を見つけ出すこと、が必要である。

8.2. 企業のイニシアティブ
    8.2.1. 製品のメニュー
      ●ごみ処理において排出者責任は基本だが、現代のように製品メニューが企業によって支配されているような経済では、製品作りの段階での企業の責任も重要。
      ●バッズになりにくい、あるいはバッズになってもグッズに転換されやすいような製品作りは企業の責任。
      ●ビールビンはリターナブルであるが、これは企業の側にリターナブルビンを採用する動機もあったからだが、動脈経済と静脈経済の流れが上手く調和した例。
    8.2.2. 企業の社会的責任
      ●かつてフィランソロピーやメセナという言葉が流行したが、企業の社会的責任は企業の存在理由を問われる基本概念。
      ●バッズになりにくいグッズ作りも企業の社会的責任の一つ。しかしこの面での企業のイニシアチブはまだまだ。
      ●拡大生産者責任も企業の社会的責任の一つである。但し、これを実行するのに必要となる費用負担の問題は、別途考慮する必要があり、すべて企業が負担すべきと言うことにはならない。
    8.2.3. 先進的企業の例
      ●コンピュータ会社Aは古くからパソコンのリサイクルを手がけてきた。産業廃棄物の埋め立てをほとんどゼロにしている。
      ●特殊鋼材メーカーBは、生産プロセスからの残余物を8段階にわたって評価し、評価の低い利用を極力少なくし、再資源化を進めている。

ページトップへ>>

  ←前へ
講義一覧に戻る
次へ→

コーストップへ>>

慶應義塾OCW トップへ>>

Creative Commons License
本サイトのコンテンツは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。