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慶應義塾OCW >> コース一覧 >> 経済学部 >> 廃棄と汚染の経済学(2004春-秋学期)

廃棄と汚染の経済学(2004春-秋学期)

【第13講義:環境保全のトレード・オフ(1)】

13.1. あれかこれかの世界
    13.1.1. 経済学が扱う問題の特徴
      ●経済学の基本問題は選択にかかわる問題である。
      ●モノは欲求にたいして稀少な存在であるから選択の問題がおきる。
      ●選択する個人は動機を持っている。動機付けられた個人が市場を通じて選択の問題を解決する。
      ●しかしバッズが存在する経済では、単純に市場を通じて選択の問題が調和的に解決できない。
    13.1.2. 経済と環境のトレード・オフ
      ●経済と環境はトレード・オフの関係にあるといわれることが多いが、一方で両立可能とも言われる。
      ●バッズ削減などの環境保全を行うには付加的な費用がかかる。従って経済が効率の限界まで行きつくしているならば、付加的な環境保全によって経済がマイナスの影響を受ける。
      ●効率の限界では、環境保全のための付加的な費用によって環境評価と見なすことができる。
      ●経済主体が合理的ならば、一定の環境制約が与えられたとき、必ず効率の限界点で経済活動が行われている。
13.2. 経済と環境は両立可能か
    13.2.1. 経済と環境の両立可能性
      ●しかしながら現実では、ミクロでもマクロでも経済と環境の両方を発展させているケースがある。
      ●アメリカの3Mと言う会社は、Pollution Prevention Paysというプログラムを実践し、環境改善とともに利益を増加させた。
      ●経済と環境の両方が向上する場合、2つの原因がある。一つは、経済主体の合理性の限界に基づくもので、効率性の限界で経済主体が行き着いていない場合がある。これはX非効率性とも言われるものである。
    13.2.2. 長期的な観点から
      ●長期的には技術が進歩するから、効率性の限界自体が動いている可能性がある。
      ●その場合、短期的には効率性限界で活動していたつもりでも、フロンティアが拡張しているために、限界状態にはいないかもしれない。
      ●外側にシフトするフロンティアを常に追いかけて行動すると、経済と環境の両方が向上することになる。
      ●環境規制などが実行されると静脈技術が顕在化し、それによって新たなる技術進歩が起きる可能性がある。その場合、常に効率性の限界を示すフロンティアは外側にシフトすることになる。
    13.2.3. マクロ的視点から
      ●ミクロ的に経済と環境の両方が向上するケースがあったとしても、それが直ちにマクロ的な経済と環境双方の向上を意味するものではない。マクロ現象はミクロ現象の単なる積み上げではないからである。
      ●バッズの発生・排出抑制に関するミクロ的成果は、的確なレジームが形成していないとマクロ的発生・排出抑制にならない。

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