慶應オープンコースウェア教員紹介
 
Google

慶應OCW|文学部→

慶應OCW|経済学部→

慶應OCW|法学部→

慶應OCW|理工学部→

慶應OCW|国際センター→

 

慶應義塾OCW >>教員紹介>>坂本達哉

【教員紹介】

坂本達哉(さかもと・たつや)

慶應義塾大学経済学部教授

慶應義塾常任理事(国際連携、教育(共管)、研究(共管)、塾員(共管)担当)

私は社会思想史を研究している。社会思想史とは、経済学を中心とする社会科学を生み出してきた思想の諸体系を、その歴史的背景と理論的内容との絡み合いに焦点をおいて探求する学問である。
第1に、スミス、マルクス、ケインズといった偉大な経済学者たちはみな偉大な思想家でもあった。思想という土台なくして社会科学としての経済学は成り立た ない。経済学が前提する社会は明確な歴史的本質をもつ近代社会であり、それを生み出した人間たちである。こうした生きた人間たちが自己と社会と歴史を認識 し、人類の将来を展望しようとした帰結が経済学学である。こうした人間と社会と歴史の学としての経済学の土台をささえる思想をそれ自体として究明するのが 社会思想史である。
第2に、社会思想史は学際的である。今では経済学者とは見なされていないホッブズ、ロック、ルソーからウェーバー、ハバーマス、ロールズ、その他多くの 近・現代の思想家たちの議論も、その深いところで経済学と関連をもっていることを、社会思想の研究は教えてくれる。経済学が政治学・法学・歴史学といった 社会諸科学はもちろのこと、哲学・倫理学・文学などの人文諸科学とも深く広い関連をもっていることが、社会思想を学ぶことによって初めて見えてくるのであ る。
第3に、社会思想史は現代的である。現代社会が直面する深刻な諸問題はどれも従来の伝統的な科学のいずれか一つだけでは解決できない。とりわけ、社会主義 体制崩壊後の社会は、既製のいかなる学問体系によっても説明しきれない多様かつ深刻な問題群を生み出している。社会思想史の研究はこうした人類社会の将来 を根本から考え直すための総合的探求のための思想と論理を提供してくれるであろう。
私自身は長年にわたり、イギリス18世紀を代表する思想家の一人であり、経済学の父アダム・スミスの親友でもあったるデヴィッド・ヒューム(David Hume,1711-76)と、彼を生み出したスコットランド啓蒙思想全般の研究に従事している。その成果の一端は『ヒュームの文明社会』(創文社、 1995年)にある。思想史研究の国際化・グローバル化の波に翻弄されながら、つねに国際的な水準の研究活動を心がけている。
大学時代の4年間は、現実の利害関係から自由に、自分の好きなことを考え、追求し、実行することのできる長い人生でもただ一回の4年間である。この時代を どのように過ごすかで諸君の人生の基本線が決定される。私の切なる希望は、諸君が自らの選択と行動によって自分自身の人生を切り開き、作り上げていく方法 を身につけてくれることであり、学問とりわけ経済学という学問はその有力な手段を提供するであろう。「人はパンのみにて生きるにあらず」。諸君がこの言葉 の本当の意味を学問を通じてつかみとることを手助けできれば、教師としてこれに勝る喜びはない。

主な著書

Genesis of Hume's political economy of manners ; Economic Development and Social Change: Historical roots and modern perspectives ; Routledge:London and New York ; ; P.190-199 ; 2006
第3巻序文・第5章「デヴィッド・ヒュームー経済発展と奢侈・貨幣-」 ; 黎明期の経済学 ; 日本経済評論社 ; ; P.i-v, 213-260 ; 2005/04/18
黎明期の経済学 ; 黎明期の経済学 ; 日本経済評論社 ; ; ; 2005/04/18
ヒュームにおける社会科学の生誕 ; ヒューム読本 ; 法政大学出版局 ; ; P.230-253 ; 2005/04/11
事典項目「アダム・スミス問題」「啓蒙思想」「自然法思想」「社会契約説」「商業社会」「スウィフト」「スコットランド道徳哲学」「道徳哲学」「ヒュー ム」「ファーガソン」「ホッブズ」「ルソー」「ロック」 ; 岩波 現代経済学事典 ; 岩波書店 ; ; ; 2004/09/16
The Rise of Political Economy in the Scottish Enlightenment ; Routledge:London ; ; ; 2003/04
Hume's political economy as a system of manners ; Chapter six of The Rise of Political Economy in the Scottish Enlightenment ed. by Tatsuya Sakamoto and Hideo Tanaka ; Routledge, London ; ; ; 2003/04
Editors' Introduction ; The Rise of Political Economy in the Scottish Enlightenment ed. by Tatsuya Sakamoto and Hideo Tanaka ; Routledge, London ; ; ; 2003/04
事典項目「同情・共感・sympathy」 ; 哲学・思想翻訳語事典 ; 論創社・東京 ; ; P.211-212 ; 2003/01/20
自由と秩序の経済思想史 ; 名古屋大学出版会 ; ; P.13-34 ; 2002/04
近代思想のアンビバレンス ; 御茶の水書房 ; ; P.193-226 ; 1997/09
ヒュームの文明社会-勤労・知識・自由- ; 創文社 ; ; P.420 ; 1995/12
経済思想史-社会認識の諸類型- ; 名古屋大学出版会 ; ; P.10-24 ; 1995/04
アダム・スミスを語る ; ミネルヴァ書房 ; ; P.1-28 41-123 ; 1993/11
市場と貨幣の経済思想 ; 昭和堂 ; ; P.67-98 ; 1989/04
古典派経済学研究(I) ; 雄松堂出版 ; ; P.31-72 ; 1984/10

 

講義トップへ>>

慶應義塾OCW トップへ>>

Creative Commons License
本サイトのコンテンツは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。